一言で!
会話、ストーリー、画像、動画、音楽などの新しいコンテンツやアイデアを作成できる AI のこと。
他には?
すでにあるデータやネットの情報から特徴やパターンを学習する。使う側の指示に応じて、学習した内容を組み合わせながら作成することができるのである。
生成AIとは?
正式名称は生成AI(Generative AI)。文章・画像・音声・動画など、新しい内容を作り出すAIの総称である。ChatGPT、Gemini等が代表例としてある。
動きを分解すると「入力された文を数値に直す→次に来る言葉を予測する→選んで並べる」の繰り返しで、これを一語ずつ最後まで続ける。画像の場合は、砂嵐のようなノイズから少しずつ形を整えていく方式が主流である(拡散モデルの原論文)。
生成AIは答えを調べているのではなく、続きを予測している。検索が「すでにあるページを探して返す」のに対し、生成AIは「学習したパターンから、もっともらしい並びを組み立てる」。出典が手元にあるとは限らないのはこのためである。
出来を左右する主な要素は次の2つ。
- 学習データ=何を読んできたか。読んでいない分野でも、それらしい言葉で埋めてしまう。
- 指示(プロンプト)=何をどこまで書くかの条件。条件が曖昧なほど、平均的で当たり障りのない出力になる。
従来のAIとの違いもここで分かれる。従来のAIが得意なのは、迷惑メールの判定や売上の予測のように、与えられたものを「分類する・当てる」作業だった。生成AIは、学習した特徴を組み合わせて新しく「作る」側に回る(GANの原論文)。
この学習には膨大な計算が必要で、そこを担うのがGPUである。少ない例や短い指示だけで幅広い作業に対応できるようになったのは、モデルと学習量を大きくした結果でもある(GPT-3の論文)。
豆知識
もっともらしい誤情報を生成する場合あり。これは「ハルシネーション」と呼ばれる。
そのため、AIの成果物を評価するうえでは査読能力が不可欠!
仕事や学習で使うときは、重要な内容を公式資料などで人間の手により確認することが肝要となってくる。
歴史
生成AIは、約70年にわたるAI研究の積み重ねによって誕生したもので、当初は人が登録した規則の範囲内でしか動けなかった。
その後、統計的自然言語処理や機械学習が発達し、データから言葉や画像の特徴を学習できるようなる。
さらに、深層学習の発展によって、複雑な文章・画像・音声の生成が可能になった。
2017年に登場した「Transformer」は、大規模なデータを効率よく学習する仕組みを実現し、そこからGPTなどのモデルが発展し、2022年のChatGPT公開をきっかけに、生成AIは一般にも広く利用されるようになった。
まとめ・私見
各社が競っているが、今のやり方はいずれ頭打ちになると思っている。性能は投入したデータ量に比例しないし、高品質なデータには限りがあるからだ。
面白いのは、下の差を縮める道具だということ。文章が苦手でも読める文になり、初心者でもコードが書ける。
ただし上の差は開く。誤りを見抜けるかは結局その人の知識次第だから、使うほど差がつく。
浮いた時間を自分の勉強に回す。今はそれが正解。
年表
| 年代・年 | 主な出来事 | 主な人物・組織 | 主な国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1950年代 | AI研究の始まり | アラン・チューリング、ジョン・マッカーシー、マービン・ミンスキー | イギリス、アメリカ | 機械が人間のように思考できるかという研究が始まる。「人工知能」という研究分野が成立する |
| 1960年代 | 対話プログラム「ELIZA」が登場 | ジョセフ・ワイゼンバウム、MIT | アメリカ | あらかじめ設定されたルールを使い、人間と会話しているような応答を行う |
| 1980年代 | エキスパートシステムが普及 | エドワード・ファイゲンバウム、スタンフォード大学 | アメリカ、日本 | 専門家の知識や判断規則をコンピューターへ登録する。日本では第五世代コンピュータ計画が進められる |
| 1990年代 | 統計的自然言語処理が発展 | フレデリック・イェリネック、IBM研究チーム | アメリカ | 人がすべての文法規則を書くのではなく、大量の文章から単語の関係や出現確率を学習する |
| 2000年代 | 機械学習の利用が拡大 | ジェフリー・ヒントン、ヤン・ルカン、ヨシュア・ベンジオ | カナダ、アメリカ、フランス | データから分類・予測の規則を学習する方式が広がり、ニューラルネットワーク研究も再び注目される |
| 2010年代前半 | 深層学習が急速に発展 | ジェフリー・ヒントン、ヤン・ルカン、ヨシュア・ベンジオ | カナダ、アメリカ、フランス | GPUと大量データを利用し、文章・画像・音声の複雑な特徴をAI自身が学習できるようになる |
| 2014年 | GANが発表される | イアン・グッドフェローら | アメリカ、カナダ | 生成するAIと判定するAIを競わせ、本物に近い画像などを作る仕組みが登場する |
| 2017年 | Transformerが発表される | アシシュ・ヴァスワニら、Google | アメリカを中心とする国際チーム | Attentionによって文章中の関係を捉え、効率的な並列学習を可能にする。現在の大規模言語モデルの基礎となる。[原論文](https://arxiv.org/abs/1706.03762?utm_source=chatgpt.com) |
| 2018年 | GPTが登場する | アレック・ラドフォードら、OpenAI | アメリカ | Transformerと事前学習を組み合わせ、1つのモデルを複数の言語処理に利用できることを示す。[OpenAIによる解説](https://openai.com/index/language-unsupervised/?utm_source=chatgpt.com) |
| 2019年 | GPT-2が登場する | アレック・ラドフォードら、OpenAI | アメリカ | 大量の文章を学習することで、文章生成、翻訳、要約、質問応答などを行える可能性を示す。[OpenAIによる解説](https://openai.com/index/better-language-models/?utm_source=chatgpt.com) |
| 2020年 | GPT-3が登場する | トム・ブラウンら、OpenAI | アメリカ | 少数の例や文章による指示を与えるだけで、さまざまな課題へ対応できるようになる |
| 2020年代前半 | 画像生成AIが急速に発展する | ジョナサン・ホー、OpenAI、Stability AI、Midjourneyなど | アメリカ、イギリスなど | 拡散モデルなどにより、文章から高品質な画像を生成できるようになる |
| 2022年 | ChatGPTが一般公開される | OpenAI | アメリカ | 対話形式の画面によって、専門家以外の利用者にも生成AIが急速に広がる |
| 2023年以降 | マルチモーダルAIが普及する | OpenAI、Google DeepMind、Anthropic、Metaなど | アメリカ、イギリスを中心に世界各国 | 文章だけでなく、画像・音声・動画など、複数の情報をまとめて理解・生成する |
| 2020年代半ば | 各国で生成AI開発が拡大する | DeepSeek、Alibaba、Mistral AI、Preferred Networksなど | 中国、フランス、日本、世界各国 | アメリカ以外でも、独自の大規模言語モデルや軽量モデルの開発が進む |
| 現在 | AIエージェントへ発展する | OpenAI、Google DeepMind、Anthropic、Microsoftなど | 世界各国 | 回答するだけでなく、検索、分析、資料作成、プログラム実行などを連続して進める方向へ発展している |