一言で!
バイブコーディングとは
作りたいものを、ふつうの文章でAIに頼み、アプリを作ってもらうこと。
テーマパークと同じで、行きはよいよい、帰りはこわい。
他には?
動くものは、すぐにできる。ただし、いいものにしようとすると苦労が絶えない。
バイブコーディングとは?
英語ではvibe coding。vibeは「ノリ」や「雰囲気」のこと。
作りたいものを、ふつうの文章で生成AIに伝える。
AIがコードを書き、動かして見せる。
気に入らなければ、また文章で直してもらう。
この繰り返しで、アプリができあがる。
言葉を作ったアンドレイ・カルパシー氏は、「コードがあることさえ忘れる」と書いた(アンドレイ・カルパシー氏のXへの投稿(2025年2月2日))。
行きはよいよいのテーマパーク
バイブコーディングは、行きはよいよい、帰りはこわいテーマパークによく似ている。
ゲートをくぐるときは、誰でも楽しい。最初に頼んだアプリが画面の上で動いた瞬間も、それと同じくらい心が躍る。
でも中に入ると、乗り物の列に何時間も並び、広い園内を歩き回って、昼を過ぎるころにはくたくたになっている。
帰り道は、疲れた体のまま、渋滞の中を自分で運転して帰らなければならない。
バイブコーディングも同じで、動いたあとにこそ、本当の苦労がやってくる。
使うほど直したいところが見つかり、人に使ってもらう準備も要る。AIに頼み直せば、頼んでいないところまで変わる。
作るまでは楽しい。いいものにしようとすると、苦労が始まる。
読むか、読まないか
AIにコードを書かせれば、全部バイブコーディングというわけではない。
開発者のサイモン・ウィリソン氏は、境目を「書かれたコードを読むかどうか」に引いた(Simon Willison「Not all AI-assisted programming is vibe coding (but vibe coding rocks)」(2025年3月19日))。
読んで、試して、人に説明できるなら、それはふつうのソフトウェア開発。
読まずに任せるのが、バイブコーディングだ。
豆知識
- アンドレイ・カルパシー: AIの研究者。OpenAIの創設メンバーで、テスラのAI部門を率いた(Collins Dictionary「Collins Word of the Year 2025」(2025年11月6日))。
- 機械語: コンピューターがそのまま読める、0と1の並びで書いた命令。
- FORTRAN: 1957年にIBMが出したプログラミング言語。数式に近い書き方で計算を書ける(IBM「Fortran」)。
- プロンプト: AIに渡す頼みごとの文章。
歴史
はじまり:0と1で書いていた
1950年代のはじめ、プログラムは機械語で書いていた。
0と1の並びを、正しい順番で、一つずつ手で書く(IBM「Fortran」)。
のちにFORTRANを作るジョン・バッカスは、これを「機械との白兵戦」と呼んだ(IBM「Fortran」)。
壁と転換点:人の書き方に近づく
1957年、IBMがFORTRANを出す。数式に近い書き方で、計算の手順を書けるようになった(IBM「Fortran」)。
このあと、人が読み書きしやすいプログラミング言語が次々に生まれる。
それでも、決まった書き方を覚えて、一字一句正しく書く手間は残った。
2025年2月、カルパシー氏がXに「バイブコーディングと呼ぶ、新しい種類のコーディングがある」と書く(アンドレイ・カルパシー氏のXへの投稿(2025年2月2日))。
声でAIに頼み、キーボードはほとんど触らない。それでも、だいたい動く、と。
同じ年の11月、英国のコリンズ英語辞典が、この言葉を2025年の「今年の言葉」に選んだ(Collins Dictionary「Collins Word of the Year 2025」(2025年11月6日))。
いま
- 2025年の調査で、仕事でバイブコーディングをしていると答えた開発者は2割に満たなかった(Stack Overflow Developer Survey 2025「AI」)。
- 2026年の同じ調査では、開発者の73%が、コードを書くAIの道具を毎日使っている(Stack Overflow Developer Survey 2026「AI」)。
この先
どこまでAIに任せきりにできるかは、まだ分からない。
テーマパークの帰り道を、AIがどこまで運転してくれるか。それもまだ分からない。
まとめ・私見
バイブコーディングで作ったと言いにくい、そこの君。安心して!
いまはエンジニアだって、ほとんどAIに書かせている。
コードが読めないと笑うエンジニアがいても、気にしなくていい。
PCから見れば、その人たちも「0と1で話せない奴ら」にあたる。
それに、そんなことが気にならなくなるほど、バイブコーディングでやれることは目白押し。
折れない心が大事だよ👍
年表
| 年代・年 | 主な出来事 | 主な人物・組織 | 主な国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1950年代はじめ | プログラムを機械語で書く | 当時のプログラマー | アメリカ | 0と1の並びを、正しい順番で手で書いていた。[IBM「Fortran」](https://www.ibm.com/history/fortran) |
| 1957年 | IBMがFORTRANを出す | ジョン・バッカスとIBMのチーム | アメリカ | 数式に近い書き方で計算の手順を書けるようになった。[IBM「Fortran」](https://www.ibm.com/history/fortran) |
| 2025年2月 | カルパシー氏が「バイブコーディング」という言葉を使う | アンドレイ・カルパシー | アメリカ | Xへの投稿で、コードがあることさえ忘れる新しい作り方として紹介した。[Xへの投稿](https://x.com/karpathy/status/1886192184808149383) |
| 2025年3月 | 「読むかどうか」で線が引かれる | サイモン・ウィリソン | イギリス | AIが書いたコードでも、読んで確かめるならバイブコーディングではない、とした。[Simon Willison's Weblog](https://simonwillison.net/2025/Mar/19/vibe-coding/) |
| 2025年11月 | コリンズ英語辞典の「今年の言葉」に選ばれる | Collins Dictionary | イギリス | 自然言語でAIに頼み、コードを書かせること、と定義した。[Collins Word of the Year 2025](https://blog.collinsdictionary.com/language-lovers/collins-word-of-the-year-2025-ai-meets-authenticity-as-society-shifts/) |
| 2026年 | 開発者の73%が、コードを書くAIの道具を毎日使う | Stack Overflow | 世界 | Stack Overflowの開発者調査の結果。[Developer Survey 2026「AI」](https://survey.stackoverflow.co/2026/ai) |