一言で!
4Mとは
仕事の結果を生む4つの要素、人・機械・材料・方法のこと。
他には?
4つの名前を覚えても、原因は教えてくれない。ただし、どこを疑えばいいかは教えてくれる。
4Mとは?
4Mは、Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)の頭文字。
4つとも頭文字がMなので、4Mという。
品質管理では、結果に影響しそうな原因を、この4つに分けて考える(恵畑聡「QC七つ道具の活用ポイント 第5回 特性要因図」(日本科学技術連盟))。
4つの中身
- 人(Man):作業する人。知識、経験、慣れ。
- 機械(Machine):設備や道具。
- 材料(Material):使う原材料や部品。
- 方法(Method):手順や作業の条件。
もとは製造現場の言葉だが、事務の仕事にも読み替えられる。
機械はパソコンやソフト、材料は受け取る情報やデータ、方法は作業の流れになる。
読み替えの表と原因の例は、業務改善の始め方①(ma-dailywork)にまとめてある。
原因を4つに分ける
困りごとが起きたら、4つのどれから生まれたかを考える。
思いつくままに挙げると、目につきやすいところばかりに偏る。4つの引き出しを先に用意しておけば、空の引き出しが見える。
空いているところが、まだ疑っていないところだ。
この4つを大きな骨にして原因を並べる図が、特性要因図である。
変わったところを見張る
4Mには、もう一つの使い方がある。変わったところを見張る使い方だ。
同じ仕事を同じように続けても結果は変わらない。
それでも、作る人は交代し、刃物はすり減り、材料は成分が少しずつ違う。
こうした変化点で、品質の異常は起きやすくなる。
そこで製造の現場では、4Mの変化点を記録しておく。
前と後の様子と、何をしたかを書いておけば、異常が出たときに原因をたどれる(「品質異常が起きやすいのはどんなときか、再発させないために何をすべきか」(MONOist、2021年2月8日))。
これを変化点管理という。
結果が変わったら、4つのどれかが変わっている。
人の欄は「誰のせい」ではない
人の欄に書くのは、その人の落ち度ではない。
「詳しい人が1人しかいない」のは、その人のせいではない。知識を分け合う仕組みがないせいだ。
人の欄に名前が並び始めたら、話し合いは犯人探しに変わる。
疑うのは人ではなく、人を支える仕組みのほうだ。
4つで足りないとき
4Mに測定(Measurement)と環境(Environment)を足した、5M1Eという分け方もある(恵畑聡「QC七つ道具の活用ポイント 第5回 特性要因図」(日本科学技術連盟))。
測り方がばらつく、部屋が暑い。4つのどこにも入れにくい原因が多いときに使う。
豆知識
- 石川馨: 品質管理の研究者(1915〜1989)。東京大学教授。特性要因図を考え、QCサークルを生んだ(石川馨先生生誕100年(日本科学技術連盟))。
- ロット: 同じ条件でまとめて作った製品や材料のひとまとまり。
- QCサークル: 同じ職場の人が集まり、自分たちで仕事の質を良くしていく小さなグループ(QC活動とは何か)。
歴史
はじまり
4Mは、特性要因図の大きな骨の定番として使われてきた。
特性要因図を考えたのは、東京大学で品質管理を研究していた石川馨。
1953年に川崎製鉄の葺合工場で使われたのが始まりとされる(年譜 日本のTQCと歩みをともにした石川先生(日本科学技術連盟))。
ただし、誰がいつ「4M」と呼び始めたかを確かめられる資料は、見つからなかった。
現場の道具になる
1962年、職場の人が自分たちで品質を良くする小さなグループ、QCサークルが生まれる(日本科学技術連盟「QCサークル誌」)。
原因を4つに分けて話し合うやり方は、こうした職場の話し合いの中で使われていく。
変わったところを見張る道具へ
4Mは、原因を探すときだけでなく、変化を見張るときにも使われるようになった。
製造の現場では、4Mの変化点を記録し、品質の異常を防ぎ、起きたときに原因をたどれるようにしている(MONOist、2021年2月8日)。
いま
いまも品質管理の講座では、4Mや5M1Eで原因を分ける方法が教えられている(恵畑聡「QC七つ道具の活用ポイント 第5回 特性要因図」(日本科学技術連盟))。
まとめ・私見
4つの引き出しを開けて、空っぽのところを探す。
うまくいかないときほど、人の引き出しばかり開けたくなる。
でも、たいていは別の引き出しに入っている。
ムカムカするときは4Mのフレームワークに投げよう。
年表
| 年代・年 | 主な出来事 | 主な人物・組織 | 主な国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1953年 | 石川馨が特性要因図を考案する | 石川馨 | 日本 | 川崎製鉄の葺合工場で使われた。4Mは、のちにこの図の大きな骨の定番になる。[年譜 日本のTQCと歩みをともにした石川先生](https://www.juse.jp/ishikawa/ningen/Chronology_20150519.pdf) |
| 1962年 | QCサークルが生まれる | 日本科学技術連盟 | 日本 | 職場の人が自分たちで品質を良くする小さなグループ。原因を4つに分けて話し合う場になっていく。[日本科学技術連盟「QCサークル誌」](https://www.juse.or.jp/qc_circle/about/) |
| 現在 | 4Mの変化点を記録する変化点管理が行われている | 製造業の現場 | 日本 | 人の交代、刃物の交換、材料のロットの違いなどを記録し、品質の異常を防ぎ、原因をたどれるようにする。[MONOist、2021年2月8日](https://monoist.itmedia.co.jp/mn/spv/2102/08/news010.html) |
| 現在 | 4M・5M1Eで原因を分ける方法が教えられている | 日本科学技術連盟 | 日本 | 4Mに測定(Measurement)と環境(Environment)を足したのが5M1E。[恵畑聡「QC七つ道具の活用ポイント 第5回 特性要因図」](https://www.juse.or.jp/upload/files/shanai_rensai_Q7_05.pdf) |